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「獅戯、何をしているんですか?こんな時間に」
夜中、台所へ降りた冴晞は甘たるい匂いと台所に立つ獅戯の姿に何事かと尋ねた。
時間には夜中の二時をまわるところ。
台所には既に半分以上できたであろうトリュフやアーモンドが散乱している。
「あぁ明日はバレンタインデーでしたね」
冴晞は妙に納得するとそのまま台所を後にした。
折角冴晞にばれないよう夜中に始めたこの作業もむなしく、獅戯は無言で手を動かすだけだった。
朝、いつもの通り職員室で別れようとした際に獅戯はあくまでさりげなく簡易に包まれた箱を手渡した。
「これ」
獅戯のぶっきらぼうな一言に冴晞は静かに、それでもどことなく嬉しいそうに答える。
「ありがとうございます」
と。
獅戯のかばんには、もう一つだけ綺麗に包装された小さめな箱が用意されている。
眠そうな目をがんばって開けながら学校に通ってくる姫のために。