夏の暑さがとれていない九月。
彼らがやってきた。
兄弟だといった彼らはその顔も性格もあまりに違いすぎていた。
「ボクのほうがちょっとだけ上なんだ」
緑咲は転入したての頃よく話していた。
火呼は何も言わずただ緑咲とあまり離れようとはしなかった。
調理実習の時だって…。
「わっ」
「えっ緑咲くん、大丈夫?!」
「血…」
「緑咲!見るな!」
あのときはすごかった。
緑咲の指は包丁で流血。
違う班だった火呼は気づくなり叫んで、そのまま誰にも何も言わず教室を飛び出して。
あっ死ぬ前に考えたせいかな、緑咲の顔が。
泣いている顔をみたきがした。
「これで終りか…」
「…うん。ここも終ってしまった」
「あいつ笑ったな、最期に」
「やっぱり最期に笑われるとこっちが痛いよ。安らかに眠ってくれると、いいな」
緑咲はそっと火呼の肩に頭を垂らした。
火呼は何もいわなかったが火呼の肩は少しだけ震えてその方は薄く濡れていた。
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