木々が震える。
地面が悲鳴をあげる。
水は地底より吹き出し地上を濡らす。
火はどこからか現れ、水を蒸発させ、風にのり、その広大さを見せつける。
「ここも終わっちゃうね」
緑咲が呟いた。
四人がたどり着いた町はもう、荒廃が始まっていた。
人々は、逃げ惑う者は尽きたのかその中で寄り添って生きていた。
「もう逃げ惑っても意味がないと気がついた方もいるのでしょうね」
水方が諦めたようにいった。それを遮るように風音が続ける。
「まだいるよ!人はそんな簡単に諦めない!」
「所詮足掻く者など自分のことだけさ、周りを見ていない証拠だ」
火呼が嘲笑うように言い放った。
「もう、いいよね?」
緑咲が会話が途切れたのをきっかけに三人に促す。
「いいわ」
三人は町を見下ろせる山へと登った。
かつては緑豊かだったろう山も今は枯れた木々と茶色く変色し萎びかけた葉が少し生えている程度だった。
四人は小さく息をついた。
それから風音が水方が歌い始める。すぐに緑咲も火呼も続く。
四人のハーモニーは大地へ響き、終りがくるまで歌い続けた。
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