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「これ、なに?」
緑咲は街に着くなりいきなり聞き出してきた。
「ん?雪、か?」
火呼はめんどくさそうに、緑咲の問に答える。
「雪?こんなの初めて見た。白くて、冷たい」
緑咲は嬉しそうにでもこわごわと雪を見、触れる。
「そうか?」
緑咲の顔を見ながら、火呼は静かに過去を思い出していた。
『お兄ちゃん、見て。雪降ってきたの。つもるかなぁ』
不意に緑咲と妹の顔が重なる。
「火呼?」
雪と戯れていた緑咲が火呼の表情に気が付き、呼び止める。
それに火呼は気が付き、一言「なんでもない」と行って歩き出した。
こういう時、緑咲は何も聞いてこない。ただ何もしゃべらずにそばにいる。
だからなんとなく緑咲のそばは居心地がいいと思うのだった。