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ある方の影響で始めた八神の自由気ままな箱庭
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創作、空想、妄想、その他諸々が好きな八神。
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カランカラン。
ショップのドアが開かれる。
そこはお店。そこは不思議なお店。

「あの~」
風呂敷を持ち、袴をまとい、みつあみをした薫子はそのドアを恐る恐る開けた。別にどうこういうわけではなかった。ただいくら外国交流がよく見られるようになり、異人も多くなったとはいえ外国建築や中身のアンティークなどはまだまだめずらしく思わず目がいってしまった。だから薫子は気になった。中にどのような人がいるのだろうと。もしかしたら中にいるのは異人だと決めつけ、見てみたかったのかもしれない。それで恐る恐るドアを開けてみたのだった。
「だれ?」
ドアを開けた薫子を出迎えたのはヒロだった。その少年の黒髪に薫子はほっと息をついた。しかし彼の碧の目をみて一瞬びくっとした。それにヒロは気がついてにっと笑う。
「あんた、この目がめずらしいんだ。へー。とりあえず座れば?」
ヒロのなめまわすような仕草に薫子は赤くなり、それでもヒロに従い向かいの示された堰へと腰をおろした。
ヒロはそれで満足し、慣れた手つきで紅茶を入れた。それを彼女の前におき、横から一言聞いた。
「あんた、名前なんていうの?その格好、女学生?」
ヒロの横からの声にどきっとし、ヒロが前の席についたのを確認してから答えることにした。
「薫子。そこの女学校の生徒よ」
「そう」
聞いてきたヒロは彼女の問にさも興味なさそうに答えた。それから紅茶を一口飲んで、窓の外を見ながらやっぱりぶっきらぼうに言った。
「あんた、それ飲んだら帰りな。今日はアオイさん、ここの主人もいない。もし彼女がいるときにこの店が見えたならそのときにまた来なよ。その時はちゃんと客としてみるから」
薫子はヒロの言葉に紅茶を飲みながら耳を傾けていた。なぜ見えたときなのだろうと疑問を抱きつつもヒロの空気があまりに冷たくその疑問を口にすることが出来なかった。ただ無言で飲みかけの紅茶をテーブルに戻した。
「ごちそうさまでした」
薫子はとりあえずそれだけ言うと席をたった。それからドアの前で一礼してドアの外へ帰っていった。

「ヒロ?誰か来ていたの?」
しばらくしてアオイは奥の部屋から出てきた。それからまだ片付けられていない二つのティーカップに目をやっていた。
「別に。迷い子が一人だけだよ」
ヒロはぶっきらぼうに店の外を見ながら答えた。アオイはヒロを見つめ、それから「そう」と一言いうとまた奥の部屋へ戻っていった。
あの人は一体何しにこっちへ来たのだろう、と思いながらまた外を見る。たぶん彼女はもう二度とここへ来ることはない。本当に迷い子だった。この店を利用することも出来たし、この店を利用する必要もなかった。それはどちらも選べる選択。だから後者を選ばせた。そのほうが人として普通だと思うから。
しばらく外を見て、それから彼女が座っていたほうのティーカップを見た。
それからヒロはそっと彼女のティーカップをとり、残っていた冷めた紅茶を静かに飲んだ。彼女の口つけたところに自分の唇を重ねながら。

 

 

ショップシリーズです。しっかり次も書いて見ましたw
とりあえずショップはいつかどこかで現れるわけで、これは常世でみれば過去ですが、ヒロたちにとっては過去ではないかもしれないです。この人たちは時を渡っているかもしれないのでv
で、ヒロが相変わらず年齢不詳ですwとりあえず好きな子の前ではぶっきらぼうになったりするタイプなのかもしれないです。

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