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小さな森に囲われた湖。
足を歩めるつもりで二人は水浴びをしていた。
「緑咲が、・・・・泣いてるわ」
水方は呟いた。
緑咲や火呼と別れてから時は過ぎていた。
「どこかでまた終りがあったみたいね」
風が教えてくれた情報を風音は水方に伝えた。
「ヒトはどうしてこんなにも脆いのかしらね・・・」
水方は呟きながら脳裏に焼きついている自分の過去を消し去った。
「水方ちゃん、違うよ。ヒトは強いよ」
「ヒトはね、必ず来る死を前に強く、強くなる。そうでしょう」
今まで見てきた終焉の土地。そこで最期まで生き抜いた人々。
「そうね。ヒトは脆くてそして強いわね」
それらを思い出し水方はうなづいた。
「さあ、それじゃあ私たちも行きましょうか。どうか誰も最期の時を一人で過ごさないために」
私たちは旅をする。
終焉の土地を見届けるために。
そして、その土地の人々が一人でその最期を迎えないために。
見届ける。
私たち自身の終りがくるその時まで。
それが私たちの業、罪の償い。
私たちの終焉まで、ずっと。